甲信越

甲信越地方の経済及び産業の概要と展望

甲信越地方の概要

甲信越地方とは、山梨県「甲斐国」、長野県「信濃国」、新潟県「越後国」の3県のことを指します。各県とも豊かな自然環境を併せ持ち、首都圏からの交通アクセスの良さ、ICT(Information and Communication Technology「情報通信技術」)環境の充実で豊かな自然環境に恵まれた良好な生活をおくることができます。最近では、Uターン、Iターンに加え、田舎暮らし希望の人気が高くなっています。甲信越地方は、県により特徴が分かれるため、主に県別に概要を説明します。

山梨県

産業の中心は「果樹」と「宝飾製品」

山梨県は総人口84.5万人(平成26年1月)、面積4,465km2、森林率78%、日本列島のほぼ中央に位置します。北部には八ケ岳、北東部に秩父山塊、西部には南アルプス、南部には世界遺産として登録された富士山があり、自然豊かな観光資源に恵まれています。 事業所数は44,084事業所、従業者数は367,195人となっています。 山中湖からの富士山

画像は、「富士の国やまなし」より 山梨県の農業は、果樹が農業生産額の5割以上を占めるフルーツ王国です。多くの果物が栽培されており、ぶどう、もも、すももは、栽培面積、生産量とも全国一となっています。また山梨県は日本のワインの発祥の地でもあり、約80のワイナリーで国内生産量の約3割を占める日本を代表するワイン産地です。甲州種ブドウで造られた白ワインは海外でも注目を集めています。国産ブドウ100%で造られたワインの品質を競う国産ワインコンクールも毎年開催されています。自然豊かな地域1次産業に従事し、生活をしたい方や、農林水産物の6次化に取り組みたい方にとっては、魅力的な市場となっています。 山梨県は宝飾製品の出荷額が約378億円と全国シェアの1/3を占め全国一を誇ります。1000社を越えるジュエリー関係業者が存在し、県内で原石の加工から貴金属加工、完成までのすべての工程を一貫して行う世界的にも珍しい集積産地になっています。山梨県オリジナルの「Koo-fu・クーフー」ブランドを立ち上げ、伝統的な産業を未来に承継していくプロジェクトで若手の育成にも力を入れています。伝統産業に従事したい方にとっても、魅力的な地域となっています。

長野県

世界有数の精密機械工業の集積地

長野県は総人口211万人(平成26年6月)、面積13,562 km2、森林率79%、南北に長い地形を持った県です。南北に長く広がっていることから大きく北信(長野市)、中信(松本市)、南信(飯田市)、東信(上田市、佐久市)4つの経済圏に別れています。 平成24年経済センサス‐活動調査結果の概要(速報)から産業構造を俯瞰してみると、民営事業所数は113,060事業所(全国15位)、従業員数は932,794人(全国16位)であり、長野市、松本市を含む上位10市で事業所数、従業員数とも県全体の60%以上を占めています。 製造業については、かつて「東洋のスイス」と称された諏訪地方を中心に古くからの精密機械工業が発展しており、独自の技術で世界と渡り合っている元気な中小企業が多く存在しています。プリンターで有名なセイコーエプソンの本社が所在するのも諏訪市になります。 農業も盛んで、全国一の生産量のレタスに代表される高原野菜の栽培、なめこ、えのきたけなどのきのこ栽培、山梨県同様にぶどう栽培など地形や季候を利用した農産物の生産が行われています。 善光寺、上高地、避暑地である軽井沢、オリンピックも行われた白馬など、観光資源を多く有しています。 日経グローカルが行った全国大学の地域貢献度ランキング(2012年)で信州大学が1位、長野大学が4位、松本大学が6位とベスト10の中に3校も入っており、大学と地域とが連携したイノベーションへの取り組みが盛んに行われているのも特徴です。

新潟県

東アジアと向き合う日本海拠点都市

新潟県は総人口232万人(平成26年4月)、面積12,584 km2で、上越地方(上越市)、中越地方(長岡市)、県庁所在地である新潟市を中心とする下越地方、佐渡地方(佐渡市)からなっています。 県庁所在地の新潟市は、物流・エネルギー基地である新潟港、東アジアと直結する国際空港「新潟空港」を有し、東アジアと向き合う日本海拠点都市です。 国内においても関越道・北陸道・磐越道・日東道の結節点であり、上越新幹線により首都圏に2時間のアクセスの良さを誇っています。 事業所数は120,995事業所(全国14位)で、新潟市が37,354事業所(全県の30.9%)と最も多く、次いで長岡市(同12.0%)、上越市(同8.5%)と続きます。従業者数は1,033,472人(全国14位)で、新潟市が362,807人(同35.1%)最も多く、次いで長岡市(同12.8%)、上越市(同8.4%)などとなっています。 売上高も新潟市が7兆7,223億円(同39.0%)と最も多く、新潟県において新潟市が中核的な位置づけとなっていることがわかります。 その中で、燕三条地区は全国的に金属加工技術の集積地と知られています。独自の「鏡面仕上げ」は世界中のメーカーから発注が舞い込むほどの人気です。高度な技術を磨きたいUターン、Iターン希望者にとっては、魅力的な地区となっています。

甲信越地方の雇用情勢について

平成26年4月に財務省関東財務局の各地方財務事務所が公表した県内経済情勢から各県の概況をみていきます。企業の景況感に違いはありますが、雇用情勢はどの県もゆるやかな上昇となっています。 ;
全国と甲信越の近隣県の有効求人倍率(季節調整値)比較 (財)長野経済研究所 より
 

山梨県

住宅建設は前年を上回り、設備投資は製造業では前年比減少見込みですが、非製造業では増加見込みです。企業収益は全産業では減益ですが、規模別にみると、大企業及び中堅企業は減益見込み、中小企業は増益見込みとなっています。雇用情勢は持ち直してきています。

長野県

住宅建設は前年を上回り、設備投資、企業収益とも増加が見込まれています。企業の景況感は全産業で4期連続の「上昇」超となっています。 雇用情勢は緩やかに回復しつつあり、有効求人倍率は緩やかな上昇が続いており、新規求人数も増加しています。

新潟県

住宅建設は持家、貸家及び分譲いずれも前年を上回っています。設備投資は製造業では減少、非製造業では増加で全産業ではほぼ前年並となっています。企業収益は増加が見込まれています。 雇用情勢は緩やかに回復しつつあり、有効求人倍率は緩やかな上昇が続いており、新規求人数も増加しています。 次に、各県の特徴的な施策を紹介します。

山梨県 Koo-fuプロジェクト

「Koo-fuプロジェクト」は山梨県の産地活性化プロジェクトで、2006年から2009年まで中小企業庁JAPANブランド育成事業にも採択されたものです。 産地の特性を生かし新しいジュエリーの魅力を伝えるために、伝統的な技術と新たな素材を融合し、開発にはたくさんの女性デザイナーが参加して女性のリアルな声を反映したものづくりが行われています。 また、甲府市にはジュエリーが学べる日本唯一の公立専門学校として山梨県立宝石美術専門学校が開校しています。地元ジュエリー業界と密接に連携した実技中心の人材育成で官民一体となって、若手の育成に取り組んでいます。

「富士の国やまなし」より

長野県 信州ワインバレー構想

2013年から県が10年の計画期間で推進している信州ワインバレー構想があります。長野県はワイン用ぶどうの生産が3,645tと全国一であり、県内には5つのワイン特区をもっています。 各特区では就労支援として、国内外から講師を招き、ワイン用ブドウ栽培や醸造の技術、ワイナリー経営のノウハウを伝授し、ワイナリー経営に必要な知識を持った人材を育てるワイン大学を開校しており、県内外から多数の人が受講生となって学んでいます。 また、県内ワイン出荷の約8割を占める塩尻市では毎月20日はワインの日、ワイナリーフェスタの開催、ワインアドバイザー講座など市民を巻き込んだワイン文化の醸成にも取り組んでいます。 ワイナリーは裾野の広い6次産業と捉えることができ、県内に小規模ワイナリーが増えることで、農業、飲食、観光といった就労の場が増えることが期待できます。 長野県ホームページより

新潟県 新潟ニューフードバレー特区

平成26年3月に新潟市が農業分野の国家戦略特別区域に選定され、大規模農業改革拠点として「農業」と「雇用」の分野において規制緩和が認められました。 地域の高品質な農産物を活用し、食品関連も含めた産官学連携を図り高付加価値化を実現し、農業の国際競争力強化、農業分野の創業、雇用拡大を支援していきます。 農家レストランの設置要件の緩和により、農業者自身が生産した新鮮な農産物での料理の提供,果実を使ったスイーツを提供するカフェなどを開設することができるようになります。 農業生産法人の役員要件の緩和により、農作業従事者以外に加工や販売のノウハウをもった役員を有することで、新たな技術や経営の革新を通じて新たな雇用創出が見込まれます。 宿泊型の農業体験施設、半年以上予約待ちになっている塩を一切使わない新しい発酵食材の無塩味噌の技術開発、老舗酒蔵を活用して新潟らしい商品の展示販売を行うフードデザインLABO、留学生シェフによる料亭や農家レストランでの研修事業による日本食の魅力の発信など、農商工連携を推進する6次産業化に力を入れています。 また農業の創業を支援するために「雇用労働相談センター(仮称)」を設置し,6次産業化や食関連の開業企業、創業を目指す個人に、新規開業企業等の相談,資金支援から雇用管理等の相談・助言まで,創業のワンストップ支援の実施を予定しています。

新潟市ホームページより

甲信越地方の魅力について

都市と自然のハイブリッドな生活

山梨県、長野県、新潟県の甲信越地方に共通の魅力は、大都市圏までの交通アクセスの良さと自然環境にあります。 各県の主要都市までは、新宿、名古屋から特急で2時間30分、新幹線を使えば90分でアクセスできることから都心へすぐ行ける便利さがあります。首都圏で行われるセミナーや展示会でのスキル向上や最新情報の収集も容易です。また気軽に日帰りで首都圏にショッピングに出かけることもでき生活面でも不自由することは少ないといえます。 そして大都市圏で得られないのが豊かな自然環境です。山梨県78%、長野県79%、新潟県67%の森林率(林野庁 平成24年3月31日現在)をほこり、春夏秋冬の四季の変化がはっきりしており、旬の野菜や魚介類を楽しむことができます。各県都市部から30分~1時間も走ればそこは大自然、夏はキャンプや登山、冬はウィンタースポーツを気軽に堪能できることも大きな魅力です。 長野県を例にあげると、春は高遠城址公園の桜、夏は上高地トレッキングや軽井沢のアウトレットでのショッピング、秋はぶどうやきのこなどの地物食材を満喫し、冬は白馬でパウダースノーの中でのスキーと年間を通して楽しむことができます。 光ケーブルによるインターネット環境も整備され、4Gの無線通信エリアがほぼ網羅されていることから都会と同様のICT環境も安心できます。 「田舎暮らし」と言えば自給自足などのイメージを持たれる方も多いと思いますが、首都圏へのアクセスの良さに加え、都市部での生活は飲食店含む店舗も充実しており、便利な都市生活と、身近な大自然を楽しむといったハイブリッドな生活をおくることができます。

にいがた観光ナビより

さわやか信州旅.netより

大都市圏への利便性の向上で広域経済圏が誕生

リニア中央新幹線開通によるさらなる交通アクセスの向上

リニア中央新幹線とは、東京都を起点に、山梨県甲府市付近、長野県飯田市付近、名古屋市付近、奈良市付近を主な経過地として、大阪市までを結ぶ新幹線のことです。超電導リニアモーターカーにより時速500kmで走行し、最短で東京~名古屋間が約40分、東京~大阪間が約1時間で結ばれることになります。東京~名古屋~大阪の3大都市圏を一体化することで経済活動の効率性が高まります。

本州中央部交流圏構想

さらに、東西を結ぶ2つの新幹線(リニア中央新幹線及び北陸新幹線)、南北を結ぶ高速道路網により、首都圏、東海、関西圏、北陸間での太平洋と日本海とを結ぶ多くの交通網が形成されることになります。 このことは、本州中央部に位置する甲信越地方における移動の利便性を高めることによって、大都市圏の機能と自然とが調和した新たな経済圏として、東日本と西日本、太平洋と日本海を結ぶ「本州中央部広域交流圏」の実現が考えられています。

長野県リニア活用基本構想より 本州中央部広域交流圏(イメージ)より

最後に

甲信越地方は、首都圏までの交通の利便性を持ちながらも、自然に囲まれた豊かな住環境を手にすることができます。仕事とプライベートの両立といったワークライフバランスを考えたこれからの新しい働き方を実現するには最適な環境といえるでしょう。

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