沖縄

産業別構成比から見えてくる ~低い2次産業、高い3次産業比率~

 沖縄県企画部統計課 編「100の指標からみた沖縄県のすがた」(平成23年7月)によると、
沖縄県における第2次産業比率は12.11%となっています。全国平均が26.29%であることからも低い数値かが伺えます。これは米軍統治下の沖縄で、日本円とは異なるB円などが通貨として使用されていたことに由来するとも考えられています。
 当時、日本円の公定為替レートが1ドル360円とされていた中で、沖縄においては1ドル120B円という、日本円に比べ割高なレートで固定されたために、沖縄産品の輸出時にこのような通貨が不利に働いてしまったのです。

 これに対し、第3次産業は、就業構造における構成比が76.57%で全国1位となっています。(「100の指標からみた沖縄 平成23年4月版」)これは、製造業の衰退とともに労働力が第3次産業に流れたものと考えられています。

 また、沖縄県民の県民所得は204万9千円となっており、これは全国平均の305万9千円の約3分の2となっています。このような県民所得の低さと産業比率との因果関係は否定できないでしょう。(「100の指標からみた沖縄 平成23年4月版」)

全国一若い県

 沖縄県の平均年齢は40.7歳で全国一平均年齢の若い県です。この数値は、全国平均の45.0歳を大きく下回っています。(平成22年 国勢調査結果)
 また、老齢化指数(65歳以上人口の0-14歳人口に対する比率)は99%で全国47位。沖縄県は、全国で唯一、若者の方の人口が多い県なのです。(「100の指標からみた沖縄 平成23年4月版」)

 日本全体で人口減少と高齢化が進む中、人口が増加し、また高齢化まで時間のある沖縄は人材に恵まれた県といえるでしょう。

ものづくり企業

 沖縄発のものづくりというと、伝統工芸品や南国フルーツやお菓子などがすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。確かに、このようなものづくりを行う企業にも魅力ある企業は多いのですが、それだけではありません。
 沖縄の豊かな資源である海水から精製したお塩を製造している企業、不発弾発見のための磁気による測定業務機器を製造している企業、バイク等のマフラーの触媒を作成する世界シェア7割を占める企業などがその一例です。

沖縄経済の特徴と可能性

 沖縄の経済は、いわゆる3K経済と言われることがあります。
 これは、「基地・公共投資・観光」の頭文字をとったものです。
 基地収入が約2000億円、公共投資が全国比の 約1.5倍 、そして観光収入が約5000億円であることから、その名前がつきました。

観光収入について

沖縄県の観光産業

 平成25年度の観光客数は658万300人で対前年比65万5600人増加、率にして11.1%の増加となりました。これまで過去最高であった平成20年の593万4300人を大きく上回る観光客数を記録しました。(沖縄県HP「平成25年度 沖縄県入域観光客数統計概況」)
 このような観光客数増加の理由としてはさまざま考えられますが、景況感の上向きによる国内旅行需要の拡大、円安の影響による、外国人観光客の増加、また、南ぬ島(パイヌしま)石垣空港の開港や、沖縄本島への台風の接近が少なかったことに加え、官民一体のプロモーションなどがあげられます。

 観光産業は、観光客増に対応する過程で、ホテルや飲食店など、産業が発展します。そのような発展・成長において必要となるのが人、つまりは人材です。
沖縄には、みなさんの活躍を心待ちにしている企業がきっとあります。

新たな観光形態の登場

 単なる観光に止まらず、最近では、MICEや医療ツーリズムといった、新しい観光形態が登場してきています。
・MICE
「MICE」とは、Meeting(企業の会議など)、Incentive(企業の報奨旅行など)、Convention(学会や国際会議など)、 Exhibition(展示会など)の4つの頭文字をとった造語で、観光地めぐりや保養などを目的とする従来の観光旅行と異なり、ビジネスを中心とした新たな観光形態を意味します。(参照:沖縄MICE協力隊)
 近年の沖縄県では、2000年に開催されたG8サミット以降、国際会議や学術会議の誘致を続けてきました。また、海外企業の報奨旅行も徐々に増えてきています。
「MICE」は、一度に大人数が動くだけでなく、一般の観光旅行に比べ参加者の消費額が大きいことなどから、沖縄観光の新たな可能性を示すものとしてとらえられ、またこれまで一般的であった「コンベンション」にかわって、近年浸透しつつある言葉なのです。

・医療ツーリズム
 健診や治療を受ける目的で他国などを訪れることを「医療ツーリズム」いいます。
この「医療ツーリズム」もともとは医療費の安さや良質なサービスをセールスポイントに、東南アジアで盛んに行われてきたものです。
 一方、日本では国民皆保険制度の下、低コストで質の高い医療サービスを国民に提供してきた結果、世界一の健康長寿国となりました。ここで得たノウハウをビジネスに活かすべく政府の「新成長戦略」(平成22年6月18日閣議決定)には、「アジアの富裕層等を対象にした健診、治療等の医療及び関連サービスを観光とも連携して促進していく」との記載が盛り込まれています。
 他方で、国内有数の観光立県である沖縄県でも平成23年に「新たな沖縄振興のための制度提言」を発表しました。そこでは「国際観光推進制度」を新規提言として掲げ、医療ツーリズムの推進支援を財政措置に盛り込んでいます。
 また、沖縄総合事務局の設置した「沖縄ウェルネス産業研究会」の報告書の中では、沖縄独自の国際医療交流について「万国医療津梁」の呼称を提案し、2020年度までの外国人受け入れを9万人と想定しています。そこでの市場規模は590億円、経済波及効果は820億円、この市場をまかなうには10,200人の新規雇用の創出が必要と試算しています。沖縄の強みである観光と医療がマッチングすることにより、いままさに大きな雇用の機会が生まれようとしているのです。

県の推進するIT振興事業

 県をあげてIT振興に力を入れているのも沖縄県の特徴です。その一例として沖縄IT津梁パーク・プロジェクトが上げられます。かかるプロジェクトは、沖縄県が国内外の情報通信関連産業の一大拠点となることを目指すものです。
 具体的には、①沖縄県における情報通信産業の推進、②わが国における情報通信産業活性化と国際競争力向上への寄与、③沖縄県における雇用創出の先導という3つの基本理念を掲げ、8000人の新規雇用創出を目指しています。
 ちなみに「津梁」は、アジアとの架け橋を意味しています。
 ソフト開発やIT人材の育成・交流の面でアジアとのブリッジ機能を積極的に担っていく意欲の現われといえます。(沖縄県商工労働部情報産業振興課ホームページより)
 このように沖縄県経済は基地・公共投資・観光のいわゆる「3k」経済にとどまらずまだまだ大きな成長可能性を秘めているといえるでしょう。

雇用状況

 沖縄労働局の発表によると平成26年3月卒の県内学生の就職内定率は、大学生71.0%、短大生96.8%、高校生87.2%となっています。(参照:厚生労働省沖縄労働局「新規高卒者・大卒者等の就職内定者数が昨年に比べ大幅に増加(平成26年3月末時点)」)
 また、県内の完全失業率は5.7%(参照:「労働力調査 平成25年平均」)となり、過去10年で最低となっています。

 

地理的特質

地理的特質

1)沖縄の位置
 沖縄県は、日本の南西端に位置し、東西約1,000km、南北約400km の海域に広がる大小160 の島々から成立しています。

 那覇市から東京までは飛行機で2 時間半(約1,550km)の距離に位置しています。

 東南アジアに目を向けると中国・上海へは1 時間半(約820km)、台湾へは1 時間(約630km)の距離に位置し、恵まれた地理的特性から14 世紀には琉球王国として中国、東南アジア諸国等との交易が活発に行われていました。

 現在は、我が国で東南アジア諸国に最も近い場所として、東アジア及び東南アジア諸国との交流拠点としての役割が期待されています。

出典:内閣府沖縄県総合事務局「沖縄の山・川・海をとりまく特性」

2)沖縄の気象
 沖縄は我が国で唯一、亜熱帯海洋性気候に属し、年間の平均気温は23.1℃と全国平均の15.8℃に比べても高く、一年を通じて温暖です。(出典:総務省統計局「統計でみる都道府県のすがた 2013」)

3)離島へのアクセス
 沖縄本島よりさらに離れた離島では非日常を味わうことができます。船で数時間、飛行機なら数十分で離島に到着です。
 宮古島、石垣島をはじめ、日本最西端の与那国島、南十字星の見れる波照間島など週末を利用しての小旅行が可能なのも沖縄で働く魅力でしょう。

トピックス

2千円札

 2千円札は、沖縄サミットと西暦2000年をきっかけとして、2000年7月19日に発行されました。
 紙幣の表面には首里城の守礼門が描かれていますが、沖縄をモチーフとした紙幣が発行されたのは史上初めて。

 新紙幣発行ということで話題になり、当初は順調に流通していましたが、ATM等での利用環境の整備が遅れ、現在、本州ではほとんどみかけなくなってしまいました。

 しかし、沖縄県内においてはまだまだ健在。
 県内金融機関のおよそ9割のATMで2千円札の引き出しが可能となっており、コンビニでお金をおろすとほぼ間違いなく2000円札が入っています。
 また、2千円札によるお釣りの支払いを行う取り組みも進んでおり、買い物の際に「おつりに2千円札を混ぜていいですか?」と聞かれることもしばしばです。
 沖縄がデザインされた2千円札の流通が進めば、県外の方にも沖縄への親近感を持っていただけることでしょう。
 そのためにも、県民の財産「2千円札」を、大切に育てていきたいものですね。

車社会・沖縄

 学生のうちからマイカー通学する学生が多数いるのが沖縄です。社会人になればなおさらです。
 車を持たなくてもご心配なく。公共交通機関であるバスは「わった~バス党」という県の事業の後押しもあり利便性・乗客数を伸ばしています。
 また、助け合いの精神を意味する「ゆいまーる」を語源としたモノレール「ゆいレール」が交通手段として機能しています。
 特にタクシーは非常に発達しており、国道はもちろん少し広い道路であれば流しのタクシーがほぼ捕まります。しかも、初乗りが500円以下で、社会人は積極的に利用しています。

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