東北

東北の経済及び産業の概要と展望

震災から力強く立ち直りつつある東北地域経済

東北の経済規模

東北地域の総面積は66,952km2(平成24年)、総人口は915万人(平成24年)です。域内総生産を世界の類似国と比較してみると、ベルギー、スイス、スウェーデン等、中小規模ながら国際競争力のある国家と同等レベルであり、日本国内において一定の影響力を持つ経済規模となっています。 東北地域の経済指標 出典:平成25年版 東北経済のポイント(東北経済産業局)

東北地域の立地的特徴

東北は、青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島の6県で構成されています。同じ東北でも北部(青森、岩手、秋田の北東北)と南部(宮城、山形、福島の南東北)、東部(太平洋側)と西部(日本海側)とでは気候が大きく異なり、各県ごとの文化も様々です。 広大な面積を有するがゆえに都市間距離が他地域と比べて長く、また地形的制約もあったことから、域内各地域の経済的結び付きは強くなかったのですが、近年は新幹線、高速道路、幹線道路等の整備が進み、域内各地域間の交流が活発になってきています。また、東北新幹線、東北自動車道といった、東北(主に太平洋側)・首都圏間のインフラはかねてより力を入れて整備されていたこともあり、首都圏との結びつきは強く、首都圏に本社のある企業の支店や工場などが域内に多数進出しています。

東北地域の産業構成と特徴

東北の産業別構成比は、第1次産業が2.6%、第2次産業が22.1%、第3次産業が75.3%となっており、全国平均と比べて第1次産業の割合が高く、また就業人口についても第1次産業が全国平均を上回っていることから、農業、林業、漁業が活発な地域であることが伺えます。一方、近年は全国同様に第3次産業のウエイトが高まる傾向にあります。 出典:平成25年版 東北経済のポイント(東北経済産業局) 東日本大震災の際に被災した東北地域の工場の稼働が停止し、多くの製造業においてサプライチェーンへの影響があったことで、東北地域における製造業の重要性は全国的に再認識されました。東北地域のリーディング産業は、電子部品・デバイス・電子回路、食料品、情報通信機械器具、輸送用機械器具、生産用機械器具となっており、これら5業種は製造品出荷額等の業種別構成比で約5割を占めています。県別に最も構成比が高い業種を見ると、青森県は非鉄金属、岩手県は輸送用機械器具、宮城県と秋田県は電子部品・デバイス・電子回路、山形県と福島県は情報通信機械器具となっています。 出典:平成25年版 東北経済のポイント(東北経済産業局) 東北地域を代表する教育機関である東北大学は、特許登録件数全国1位、研究費全国2位とかなり研究に力を入れています。しかし現時点では、企業の研究開発費や知財活動は全国と比べるとやや少なく、産学連携のより一層の推進を進めています。

東北地域の国際化動向

東北地域における貿易動向は、東日本大震災が発生した平成23年は大きく落ち込んだものの、その後は輸出額、輸入額共に増加、回復傾向にあります。港別の取扱高の高い順に、輸出額では、仙台塩釜港、八戸港、酒田港となっており、輸入額では、仙台塩釜港、小名浜港、秋田船川港となっています。輸出入額共に、ほとんどの港で前年を上回っており、仙台塩釜港の輸入額は前年比217%増となっています。 東北地域の輸出入を地域別にみると、輸出はアジア、北米、西欧、輸入はアジア、中東、大洋州などが主な相手先となっています。貿易相手国別では、輸出は中華人民共和国、アメリカ合衆国、大韓民国などが、輸入はオーストラリア、中華人民共和国、アメリカ合衆国などが主な相手国となっています。輸出入額を品目別にみると、輸出では鉄鋼、ゴム製品、原動機などが、輸入では原油及び粗油、金属鉱及びくず、石炭などが上位を占めています。 在留外国人、出入国者については、平成23年は東日本大震災の影響で大きく落ち込みましたが、翌年以降、関係者による積極的な観光PR等の効果もあって翌年からは回復傾向にあります。東北地域の在留外国人数は42,691人で、国籍別ではアジアが89.1%を締め、特に、中国(39.9%)、韓国・朝鮮(24.2%)の東アジアの割合が高くなっています。

東北各県の概要

青森県

総面積9,645km2、総人口135万人、域内総生産は44,748億円。製造品出荷額の上位3業種は、非鉄金属、食料品、業務用機械となっています。県庁所在地は青森市で人口は29.95万人(平成22年)です。

岩手県

総面積15,279km2、総人口130万人、域内総生産は40,970億円。製造品出荷額の上位3業種は、輸送用機械器具、食料品、電子部品・デバイス・電子回路となっています。県庁所在地は盛岡市で人口は29.83万人(平成22年)です。

秋田県

総面積11,636km2、総人口106万人、域内総生産は35,261億円。製造品出荷額の上位3業種は、電子部品・デバイス・電子回路、食料品、生産用機械となっています。県庁所在地は秋田市で人口は32.36万人(平成22年)です。

宮城県

総面積7,286km2、総人口233万人、域内総生産は80,453億円。製造品出荷額の上位3業種は、電子部品・デバイス・電子回路、食料品、輸送用機械となっています。県庁所在地は仙台市で人口は104.6万人(平成22年)です。

山形県

総面積9,323km2、総人口115万人、域内総生産は37,391億円。製造品出荷額の上位3業種は、情報通信機械器具、電子部品・デバイス・電子回路、食料品となっています。県庁所在地は山形市で人口は25.42万人(平成22年)です。

福島県

総面積13,783km2、総人口196万人、域内総生産は71,263億円。製造品出荷額の上位3業種は、情報通信機械器具、化学、電子部品・デバイス・電子回路となっています。県庁所在地は福島市で人口は29.26(平成22年)万人です。

東北地域経済を支えるインフラ

東北地域には経済活動を支えるインフラが十分に整備されています。 新幹線については全ての県に通っており、全県に新幹線が通っているのは東北地域のみです。東北の中心都市である仙台から東京までは最速1時間30分で結ばれており、日中でも毎時3本はあるので利便性は非常に高くなっています。 高速道路については東北地域と首都圏を結ぶ東北自動車道の他に、域内の都市間距離の長さによる不便を解消するべく、多数の高速道路が各都市を結ぶように建設されています。東日本大震災の影響で一部工事が遅れている地域もありますが、現在でも常磐自動車道、三陸沿岸道路、東北中央自動車道などを中心に不通区間の建設工事が進められています。 空港については域内に9カ所あり、そのうち東北地域唯一の国管理空港(旧第二種(A)空港)である仙台空港は旅客利用人数が平成26年時点で300万人を超し、空港運営の民営化を控えて空港の活性化が期待されており、利用者数も更に伸びる見込みです。 港については、重要湾港以上のものについて15ヶ所あり、そのうち東北地域唯一の国際拠点湾港(全国18カ所)である仙台塩釜港は総取扱量約3,500万フレートトン(平成22年)と東北地域最大の港となっています。

東北の雇用情勢について

復興需要の影響で求人は売り手市場に

平成24年の東北の新規求人倍率は、全国の倍率を毎月上回っており、12月には1.47倍まで上昇し、全国比でプラス0.12ポイントとなりました。年平均では1.37倍と前年より0.41ポイント上昇しました。 有効求人倍率、高校卒業予定者の3月末現在就職内定状況も同様に上昇しており、完全失業率については4.5%と前年より0.8ポイント低下しています。 震災復興に伴う事業所再稼働、街の再開発、各種支援施策による創業、支社等の新設の促進により、今後もより一層の雇用創出が期待出来る地域となっています。 震災復興特需の影響もあり、現在の東北地域は慢性的に人手不足状態になっており、Uターン、Iターンにおける就職、転職を考えている皆さんにとっては多くのチャンスがあると考えられます。

東北各県の雇用及び給与情勢

青森県

青森県の有効求人倍率は0.79倍(平成26年3月)で前年同月より0.16ポイント増加、完全失業率は(平成26年3月)5.4で前年同月より0.2ポイント減少しています。また、所定内給与額は22.7万円/月(平成24年)となっています。

岩手県

岩手県の有効求人倍率は1.07倍(平成26年3月)で前年同月より0.10ポイント増加、完全失業率は(平成26年3月)2.9で前年同月より0.4ポイント減少しています。また、所定内給与額は23.1万円/月(平成24年)となっています。

秋田県

秋田県の有効求人倍率は0.88倍(平成26年3月)で前年同月より0.19ポイント増加、完全失業率は(平成26年3月)4.8で前年同月より0.4ポイント減少しています。また、所定内給与額は23.5万円/月(平成24年)となっています。

宮城県

宮城県の有効求人倍率は1.25倍(平成26年3月)で前年同月より0.04ポイント減少、完全失業率は(平成26年3月)3.9で前年同月より0.4ポイント減少しています。また、所定内給与額は27.1万円/月(平成24年)となっています。

山形県

山形県の有効求人倍率は1.13倍(平成26年3月)で前年同月より0.22ポイント増加、完全失業率は(平成26年3月)3.3で前年同月より0.1ポイント減少しています。また、所定内給与額は24.1万円/月(平成24年)となっています。

福島県

福島県の有効求人倍率は1.36倍(平成26年3月)で前年同月より0.15ポイント増加、完全失業率は(平成26年3月)3.3で前年同月より0.3ポイント減少しています。また、所定内給与額は25.1万円/月(平成24年)となっています。

東北の魅力について

豊かな自然と豊富な観光資源

東北地域の魅力は何といっても豊かな自然と豊富な観光資源です。地域面積の71%(全国平均67%)を森林が占めており、豊富な水資源と豊かな土壌により、品質の高い農産物の収穫が可能となっています。 観光地としては、世界的にも有名な日本三景の1つでもある「松島」、東北地方初の世界文化遺産である「平泉」をはじめとして、数多くの観光資源に恵まれています。自然豊かな地域であることから自然そのままの景観を楽しんだり、地域に古くから伝わる伝統文化を味わったりする観光が多いのが特徴です。 松島 中尊寺 東北地域には伝統のあるお祭りが多い地域です。全国的に有名な「青森ねぶた祭り」、「盛岡さんさ踊り」、「秋田竿燈まつり」、「仙台七夕まつり」、「山形花笠まつり」、「福島わらじまつり」といったお祭りの他にも各地で様々なお祭りが開催されており、全国から多くの観光客を集めて賑わいをみせています。このような歴史・文化などの伝統を身近に感じながら生活できることも、東北地方の大きな魅力となっています。 また、東北地域各地には伝統ある名物料理が多数あります。有名な物だと青森県「八戸せんべい汁」、岩手県「わんこそば」、秋田県「きりたんぽ鍋」、宮城県「牛タン」、山形県「いも煮」、福島県「喜多方ラーメン」などがあり、観光客にも人気です。東北地域共通の特徴としては、味付けが濃く、塩辛い料理が多いということです。東北は寒冷地域であることから塩分を摂取することで体温を維持してきたためと言われています。

東北の中心都市・仙台市

東北の中心都市である仙台市は、都心部近くにも広瀬川や青葉山などの自然があり、また都心部にも街路樹などの緑が多いことから「杜の都」と呼ばれています。夏は太平洋からの海風の影響であまり気温は上昇せず、冬は海から近いことと晴天が多いため東北地方としては温暖で、真夏日と真冬日の合計日は全県庁所在地の中で最も少ないため、年間を通じて過ごしやすい気候の都市です。Iターンにより居住する人にとっても、住みやすい土地だと言えます。 市の人口は約107万人(平成26年)で、現在も増加傾向にあります。「学都仙台」の別名を持つほど教育機関が集中している関係で若者人口が多く、街には活気が溢れています。仙台市中心部の繁華街は、多種多様な商業施設が多数集積しており、宮城県内のみならず、福島県や山形県からも集客するほど強い集客力を持っています。一般には仙台は支店経済都市であると言われていますが、長い歴史を持ち地元住民から愛される地元企業も数多く存在します。 仙台市は中心部に都市機能を集約するコンパクトシティ化に取り組んでおり、都心部への通勤時間は30分以内とすることを目指しています。通勤30分圏内の賃貸住宅の家賃相場は3LDKで8万円前後となっており、首都圏と比較するとかなり割安です。また、仙台市内には気軽に訪れることができる温泉、キャンプ場、スキー場、動物園、遊園地、海水浴場、温泉といったレジャー施設が多数あるため、非常に充実したプライベート生活を送ることができます。 仙台市街地 仙台城址

「新しい東北」の創造を目指して

被災地では、人口減少・高齢化・産業の空洞化など、今の日本が抱える課題が顕著です。このため、単に従前の状態に復旧するのではなく、復興をきっかけとしてこれらの課題を解決し、日本や世界のモデルとなる「創造と可能性の地」としての「新しい東北」を創造しようとしています。 確かに従前から抱えていた課題に加えて、震災で深刻な被害を受けたことで、非常に厳しい状況にあることは事実です。しかし、東北は被災地として日本全国、そして世界から注目を集めており、これをチャンスと考えて果敢に新たな事業展開を行っている事業者もいます。特に震災をきっかけに人々の価値観が変わってきており、それにより生まれた新たな需要を取り込むための創業や新規事業立ち上げも増えてきています。 震災復興以外でも、平成27年度開業予定の仙台市地下鉄東西線に関連する事業、仙台空港民営化による空港活性化、大規模な街の再開発プロジェクトなど、ホットなトピックスが東北にはたくさんあります。

最後に

これからの東北には様々なビジネスチャンスが訪れることが期待できます。それと同時に豊かな自然環境が身近にあることから、平日はバリバリ仕事をこなしながら、休日は自然豊かなレジャースポットを気軽に訪れてのんびりと過ごすといった生活スタイルを送ることができるのです。 是非、皆さんには東北で仕事をし、生活をすることで、「新しい東北」を創造する担い手の一員になっていただきたいと思います。

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